平成20年2月定例会総務文教員会 03月11日−7号
(教育委員会)

◆小林一大委員 2点御質問したいと思います。
 まず始めに、電子辞書の関係で御質問したいと思うのですけれども、1か月くらい前の新聞に県内の高校における電子辞書の使用についての記事が載っておりました。結論を言うと、最近は書籍の辞書よりも電子辞書を購入する学生が増えてきている。また保護者も英語の辞書とか国語の辞書とか書籍を何冊も買うよりも、電子辞書は3万円くらいからありますので、これを買った方がよいと。また学校としても勧めているようなところもあると書かれております。私自身も電子辞書一辺倒で日ごろ電子辞書を使っていろいろなものを調べているのですけれど、学生時代は普通に書籍の辞書を使っておりました。昨今の高校生の電子辞書の利用状況について教えていただければと思います。

◎高等学校教育課長 電子辞書についてですが、今の高校生が何パーセント所持しているかという詳しい調査はしておりません。

◆小林一大委員 そうであろうと、そのようなものは調べていないとは思っていましたけれども、ただ、要はこの電子辞書なのですけれども記事によると高校によっては購入を勧めているようなところもあります。ただ一方で、新潟市中央区のある高校では、英語に限って言えば熟語や例文を一度に見ることができる書籍の方が効果が上がり、電子辞書は効果が上がらないから学校の授業中は使用しないように指導する高校もあると書いてあります。要は、電子辞書がこれだけ普及しているということは実感として皆さんもお分かりだと思いますし、私自身もそう思うのですけれども、高校の対応として勧めているところもあったり禁止しているところもあるということは、生徒や保護者にとってみたら混乱するのではないかと思うのです。高校において使用を認めているか認めていないかの状況について教えていただきたいと思います。

◎高等学校教育課長 その点も調査はありません。ただ、電子辞書がよいのかそれともページをめくる書籍の方がよいのかということについては、やはり二通りの考えがあると思うのです。我々が学生のころは、辞書は引くものではなくて読むものであると教わりました。つまり時間があるときにいつも英語辞書を読む。それから国語辞書を読む。もちろん分からない単語があったときには引くものという考えもあります。多分、そういう両方の考え方から、それぞれの担当教員が電子辞書はよいとか、いやそうではなくて書籍の辞書がよいのだと分かれているのではないかと考えています。

◆小林一大委員 今の電子辞書というのは英語だけではなくて、例えば理科や歴史や地理などがすべて入っているものも出ているようでございまして、先生方各個人のいろいろな教育方針があるのも事実ですし、一律にどうこうとはなかなか統一できないのかもしれませんけれども、一つの指針のようなものを出すためや、高校がどのような対応をしているのかの把握のために一回調査をしてみてもいいのではないかと思って質問をした次第でございます。所見をお伺いしてこの項目については終わらせていただきたいと思います。

◎大滝教育次長 電子辞書がよいのか書籍の辞書がよいのか、これは教育の根本に関わる部分でもあるのではないかと思っております。実は家庭教育も同じであります。携帯電話を持たせるのがよいのか悪いのか、物事には必ずよしあしがあろうかと思います。私どもは少なくとも学校におきましては、その学校に通ってきている子供たちにとって一番よいのは何かということを教職員でしっかりと決めて、決めたらうちの学校はこうやっていくのだと、全教職員が一緒に同じ行動を取っていくべきものなのだろうと思っております。そういう意味で、電子辞書を入学生全員に買わせている学校もございます。それはその学校では生徒に対して、電子辞書を持たせてこういうふうに利用させた方がよいということを職員間できちんと議論したうえで買わせているものであります。またそうではなくて電子辞書は絶対にだめだと、きちんと書籍で読ませるのだという学校もございます。それはやはりそれぞれの学校の信念というものではないかと私は考えております。

◆小林一大委員 次に、キャリア教育についてお伺いしたいと思います。
 新潟県「夢おこし」政策プラン評価委員会の評価で、キャリア教育の推進についてインターンシップ等を実施した高等学校の割合が平成18年度目標値の80パーセントに対して81.2パーセントで、当該年度に対する達成度が126.7パーセント。評価基準における達成率の区分で110パーセント以上の段階区分ということで、順調だという評価が出ているわけですが、この内容についてもう少し詳しく教えていただきたいのです。それぞれの学校によって違うのでしょうけれども、例えばどのような期間に、どのような事業所に、それは地域の事業所なのでしょうけれども、派遣をしてインターンシップを経験させているのか。また学生がそれを経験したことによってどのような感想を抱いているのか、そのようなことを教えていただきたいと思います。なぜこのようなことを聞くかと言うと、インターンシップを二、三日やったくらいでキャリア教育が推進されているとか順調だと評価するのは少々乱暴に感じるからです。

◎高等学校教育課長 現在、高等学校ではインターンシップ等という言い方で取り組んでおります。企業体験等はインターンシップでありますけれども、福祉施設等を訪れてボランティア活動に取り組むということも含めてインターンシップ等ということで我々は考えております。大体3日間くらい、地元の企業や福祉施設を訪れて実際に仕事を体験するという趣旨で取り組んでおります。ただこれが本当にキャリア教育になるのかと言われますと少し答えに困るのですが、そのほかにも学校ではいろいろな講演会等も行っており、このインターンシップ等も含めた全体でキャリア教育ということで考えております。なお、成果につきましては、いわゆる就職もせず大学などの上級学校にも行かないという生徒が年々減っていまして、平成19年春には1,000人程度まで減ってきました。一時は1,500人を超えていたのですが、この進学も就職もしないという生徒が減ってきたということで若干効果が見えてきたのではないかと考えています。

◆小林一大委員 私自身は高等学校でのキャリア教育というものは経験ないのですけれども、小学校などで工場見学とか消防署や警察署などに行った記憶があります。ただ高等学校でキャリア教育をする意義というのは少し違うと思っておりまして、今ほど課長もインターンシップ等を実施してキャリア教育になるかはよく分からないとおっしゃいましたけれども、そういうレベルではないような気がするわけです。インターンシップというのは恐らく一定期間ある事業所などに行って、それはボランティア施設などでもよいのですけれども、一緒に目的を持って仕事に取り組んで受け入れる企業の側も一緒になってやる。それがインターンシップと言われるものだと思っております。高等学校でのキャリア教育については、講演などもいろいろやっているとおっしゃいましたけれども、そもそもキャリア教育というのは何だと考えているのか教えていただきたいと思います。

◎大滝教育次長 キャリア教育という言葉は目新しいような表現になっているのですけれども、なぜキャリアという英語を使わなければならなかったかと申しますと、実は日本語にきちんと直訳すればキャリア教育というのは進路指導ということであります。ところが日本の進路指導はともすれば出口指導に偏りました。どこに就職するのかどこに進学するのかと出口のことだけを心配するようになってしまっていました。ところが進路指導というものは、子供たちが社会に有為な人材としてどのように役立っていこうとするか、その気持ちをしっかりと育て、そして将来自分はこういう形で社会で頑張っていくのだという気持ちを育て上げること。そして現実にきちんと職に就けること。私はこれが進路指導だと思っております。そういう進路指導が行われてこなかったという反省を踏まえまして、進路指導の究極の目的は何かと言えば、一人一人に正しい勤労観や職業感をしっかりと植えつけることで、それがキャリア教育の最終目標だろうと思っております。そのキャリア教育を行うためにいろいろな手だてがある中で、その一つに企業体験や就業体験というものがございます。自分はどういう人間なのかということをいろいろな諸検査や、いろいろなことを字で書いたりいろいろなことを調べて、自分の心を確かめていって、その中で自らを知っていき、自分は社会にどうやって出ていこうとするのか。それらのものをすべて集めてキャリア教育と考えております。そういう意味でインターンシップはごく一部のものでしかない。ただ子供たちは以前は親の背中を見て育っておりましたが、親の背中がなかなか見えなくなってしまった現在において、一部でしかないものであっても、短い時間ではありますが大人の本物の世界を見るという経験が非常に貴重なものであり、それなりに効果が上がっているものと考えております。子供たちにそういう機会を、いろいろな形で学校の外に出して見せていきたい。もちろん5日間や10日間という長い期間の方が望ましいということもございますが、二、三日でも効果があるという研究成果もありますので、そういうものを生かしていきたいという意味でキャリア教育全体の中での一部分の位置づけでしかないわけですが、本来私どもが目指すべき進路指導をきちんとやっていきたいと考えております。

◆小林一大委員 大学側が大学生に対してインターンシップを進めたり、キャリア教育をするというのは非常に理解できるのです。大学生というのはすぐに就職を考えなければだめですし、職業は何にしようかということを考えなければだめだと思うのです。けれども一方で高校生に対するインターンシップを全く否定するわけではありません。確かにおっしゃったように高校におけるインターンシップもキャリア教育の一環としてやるべきだとは思っているのですが、この新潟県「夢おこし」政策プランの評価の中で、インターンシップ等を実施している学校の割合が8割を超えて目標を達成したからキャリア教育は万々歳だと言っているように見えて、それは違うのではないかという思いから質問をした次第でございます。昨今の社会状況の中でこうしたキャリア教育という名前が出てきた原因の一つに、例えばニートとフリーターの問題があって、こういった問題はキャリア教育をやっていないことが原因だというような少し乱暴な意見があって、もしかしたらその流れでこうした政策も出てきていると思うのです。私は余りそうは思っていません。ニートやフリーターの問題が発生していなかった以前はキャリア教育をしっかりとやっていたのかと言うとそれはどうかと思うところもあります。特に若年時のキャリア教育というのは事業所などに行って活動するインターンシップも大事ですけれども、それ以上に働くということの価値とか働くことには対価を伴う以上に何らかの生きがいがあったり、素晴らしいものなのだということをしっかりと教えてあげるということの方が重要だと思います。そういう意味ではこの政策の評価のところもそうですけれども、インターンシップだけではなくて高等学校や中学校でもいろいろな意味でキャリア教育を考えて、しっかりとやっていっていただきたいと思っている次第でございます。以前の総務文教委員会で楡井委員もお話しになったこともありましたが、例えば事業所に行って就職経験をするよりも、長期間にわたって農業体験をしたり、福祉ボランティア施設に一時期だけでなくて継続して行ってみたり、そういった活動なども考えていただいてもいいのではないかと思っております。そこで一点だけ皆さんに提案というか、お聞きしたいのですけれども、今団塊の世代の方がどんどん退職されて、時間を余らせているという人もたくさんいらっしゃるという状況にもあります。そうした仕事の面で長い間頑張ってこられた経験を持つ方が、高校生などに自分の仕事の体験などを直接教えるような機会をもっと増やしていってもよいのではないかと思います。先ほどの話にもありましたけれども、子供というのは親の背中はよく見ていますけれどもそれ以外の大人と接することが少ないという状況があります。そういう団塊の世代の方が仕事を辞めて、頑張ってきたという経験を一人一人に伝えてあげることは、本当に生きたキャリア教育になるのではないかと思うわけでござます。そういった取組について行っている例があれば教えていただきたいですし、行っていないのであれば今後の実施を考えていただければと思いますが、その所見をお伺いしたいと思います。

◎高等学校教育課長 現在キャリアアップサポーターということで、今ほど委員が言われたかたがたを学校に招いて、働くとはどういうことかとか、そのためにはどういう準備が必要なのかとか、そういうことを含めて自分の実体験を語っていただくような機会を設けております。

◆小林一大委員 私自身が思うには子供たちというのは大人がキャリアだ、仕事だと言って方向性をいろいろ決めてあげるよりも、人生においていろいろな判断をしなければだめなときに判断をする能力であるとか、そのときに自分自身で責任を持って決めることができる判断力といったものをきちんと身に着けさせてあげることが本当の意味でのキャリア教育であり人生の教育だと私自身思っております。新潟県「夢おこし」政策プランの評価のような小手先のインターンシップの数値でキャリア教育をやったというふうにならないように、今後もっともっと深い意味でキャリア教育を進めていっていただきたいとお願い申し上げて終わります。

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