平成21年6月定例会 総務文教委員会 7月6日―3号

◆小林一大委員 文化行政課長にお聞きします。
先ほど沢野委員から世界遺産登録についてのお話が少しだけありましたけれども、ご存じのとおり、最近、日仏で共同で推薦をしていた国立西洋美術館本館が登録を見送られました。
昨年の岩手県平泉の文化遺産に続いての2年連続の登録見送りで、ユネスコとしても新規登録を抑制するというような状況にあるようですけれども、この状況をどのように認識されているのでしょうか。

◎文化行政課長 登録見送りについてでございますが、世界遺産は文化遺産、自然遺産を含めまして現在890ございます。ユネスコの審議からいきますと、五、六年前ですと7割から8割は登録されましたが、最近は2割から3割となっているということでございまして、世界遺産に登録されたものの数が多くなってきたために、世界遺産の管理保存ということがだんだん限界に近づきつつあって、抑制傾向にあるのだろうと。ユネスコの方では、明らかに世界遺産という形で分かりやすいものを登録するというふうに考えているのではないかと認識しているところでございます。

◆小林一大委員 ユネスコが世界遺産登録に対して大変厳しい、抑制状況にあるというのは巷間(こうかん)言われていることですけれども、そのような中で、ご存じのとおり、佐渡金銀山は一生懸命に頑張っていらっしゃると思うのです。ユネスコの抑制状況が厳しくなっている中、佐渡金銀山の今の状況を改めてお聞きするとともに、この厳しい状況の中で今後どのような取組をされていくのか。そしてまた、中長期的にはどのようなことをされていく御予定があるのかということをお聞きしたいと思います。

◎文化行政課長 委員御指摘のとおり、我が国の世界遺産登録に関しては、石見銀山がイコモス(国際記念物遺跡会議)の登録延期勧告から、ユネスコで逆転して世界遺産登録され、そのあとの平泉の文化遺産はイコモスの勧告どおりユネスコでも登録見送り、そして今回の西洋美術館本館も登録見送りということでございます。今まで日本国内では、11の文化遺産と三つの自然遺産が世界遺産になっておりますが、明らかに世界遺産だというくらいの、説明の必要がないというものが世界遺産になっております。暫定リストに載っていないものも含めまして残り30くらいありますが、特に欧米のイコモスの学者の方々に説明するのに大変な労力を必要とするものが残っているという状況でございます。その中でも、理念的、抽象的に普遍的価値を説明しなくてもいいもので、まだ暫定リストに入っていないものが、佐渡金銀山と考えています。説明しなくとも何とか御理解いただける数少ないものと考えております。
 その中で、今後どうするかということでございますけれども、石見銀山と佐渡金銀山は同じテーブルに着いて拡大統合を目指そうということを文化庁は島根県太田市にお話ししているらしいですが、石見銀山の方では同じテーブルに着きたくないというような御返答だそうです。私どもは文化庁の御指導により、灰吹法の炉の跡、人的交流、上から鉱脈を探していく露頭掘り、横から鉱脈を探っていく坑道掘り、そういうものも含めまして、石見の方から伝わってきたと考えておりますので、これからはそういう国指定の調査研究を行い、国指定文化財にする。そして、調査により物的証拠を示して石見銀山とのつながりを補強していくということが1点。
 それから、文化庁が最終的な権限者でございますので、引き続き文化庁にお願いいたしまして、石見銀山との拡大統合という形で、一刻も早く暫定リストに載るように働きかけてまいりたいと思います。
 3点めですが、イコモス関係の学者の方からおいでいただいて、佐渡金銀山が世界に与えた影響や価値といったものを明らかにして、国内外に向けて、特に石見にも佐渡金銀山の価値について発信していきたいと考えております。

◆小林一大委員 ありがとうございました。要約させていただくと、今、日本国内で頑張っていらっしゃる、世界遺産登録を希望しているほかの所は、説明が難しいからほとんど登録は不可能だろうけれども、佐渡金銀山はだれが見ても世界遺産に該当するだろうから、今、一生懸命頑張っているので、近いうちには必ず暫定リストに載るということだろうと、私は認識をいたしました。
 今年は大観光交流年でもあります。先ほどPRというお話もありましたけれども、いろいろな方がわが県を訪れてくださっているわけですから、そういった方にもどんどん広めて、情報を提供していただいて、そういう遺跡であるのであれば、わが県だけでなく日本全体で応援できるような雰囲気を作っていくリーダーになっていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
 次に、この常任委員会で、先日、新潟市内にある県政記念館に視察に行ってまいりました。文化行政課長にも御同行いただいて、大変お世話になりました。ご存じのとおり、県政記念館はこの4月1日から株式会社新潟ビルサービスと新潟市上古町商店街振興組合の共同事業体を指定管理者としているということであります。本日の常任委員会で質問をしようと思っていましたら、昨日の新潟日報にも同様の記事が載っておりました。改めてお聞きしますけれども、この4月1日から新潟市上古町商店街振興組合が新潟ビルサービスと共同で指定管理者になりました。それによって来館者にどのような変化があったのかということが1点、それから、指定管理者による運営に対する文化行政課としての現状の評価をお聞かせいただきたいと思います。

◎文化行政課長 来館者数の変化についてでございます。平成21年5月現在でございますが、3,275人でございます。平成20年度は年間で1万5,154人となっておりますが、月平均来館者数で申しますと1,263人でございました。今年度に入りまして、4月、5月が終わった段階で月平均来館者数を見ますと1,638人でございますので、おおよそ400人くらい増えております。
 また、新潟市上古町商店街振興組合が今回新たに指定管理者になったことについて、どのように考えているかという御質問でございますけれども、まだ2か月ですけれども、月平均400人くらい多くおいでいただいているということについては実績はあろうかと思っております。今後とも上古町商店街ではいろいろなイベントなどを考えておられるようですので、期待しているところでございます。

◆小林一大委員 この施設は私も見せていただきました。小学校以来だったのですけれども、非常に厳かな建物でございまして、県議会議員にならせていただいたうえで改めて行くと、歴史の重みを感じ、身の引き締まる思いでございました。そういう意味で、これは新潟市の中心地にもありますし、上古町商店街の方々も非常に期待をして、一生懸命考えて、想像力を発揮して頑張っていらっしゃるのだと思いますが、新聞の記事にも書いてありましたけれども、保存・維持が原則の文化財だけに運営上の課題が多くて、希望としては結婚式等にも利用したいというような意見も中にはあるようであります。そのお答えとして文化行政課は、文化財を広く見てもらうという趣旨から、今のところそのようなことは考えていないというようなコメントを出されておりますけれども、どのようなお考えからこのようなことを発表されているのか教えていただきたいと思います。

◎文化行政課長 昨日の新潟日報だと思いますが、山形県では旧議事堂の「文翔館」というところで貸し館事業をされているということで、結婚式場などに利用されているのですが、実は山形県の議事堂は、最初は木造で建てられていたのですが、明治44年の山形市の大火で一度消失しているのです。「文翔館」は大正5年に、れんが造りで、外観には石材を配置して、議事堂だけではなく県庁舎を創設したものです。イメージからすると、昔の旧新潟県庁舎をヨーロッパ風にしたすごい建物でありまして、県庁舎と議事堂の2棟から成るイギリス・ルネサンス様式を基調とした建物で、部屋数も多く、ギャラリーもあったりして、貸し館事業もできるような施設を備えている建物です。それに対して本県の県政記念館は、明治16年に建設され、木造の議事堂としては日本最古のものでございまして、そこで貸し館事業ということは、保存上の問題、つまり大勢の人が来たときに木造の床が耐えられるかという問題や、山形県の「文翔館」は広いですから、部屋を貸してもほかの展示品に迷惑はかからないのですが、県政記念館は古い建物で、なおかつ規模が小さいものですから、ある方にお貸ししますと、一般の方が入れない状態になるおそれがあり、公開の原則という観点から非常に問題があると考えております。しかしながら、委員御指摘のとおり、このことについて今後、いろいろな観点から検討させていただければと思っております。

◆小林一大委員 年間820万円の指定管理料で運営している状況にあるわけです。記事にも書いてありますけれども、維持費と人件費ですべてが終わってしまうと。それ以上のことをしたくてもなかなかできないということもありますので、いろいろな事情はあるでしょうけれども、御検討のうえ、これをぜひ活性化できるようにしていただきたいと思います。
 もう1点、ここには新潟県議会の資料などもあるというお話も聞きます。そういった資料の管理というか資料の展示などについてはどのようにお考えか、教えてください。

◎文化行政課長 資料の展示ということでございますが、今回2回めの指定管理者になるわけでございますが、前回、ほかのところにお願いしたときにも同じような金額でお願いしたところでございまして、館の維持、それから公開ということからしますと、年間おおよそ八百二、三十万円くらいが限度かなと。ただ、委員御指摘のとおり、ある程度の資料が残っておりますので、どういう見せ方といいますか、来館者の方に見ていただけるのか、予算も関係すると思うのですが、少し検討させていただきたいと思っています。

◆小林一大委員 県政記念館についてはこれで最後にさせていただきたいと思いますが、この地域には白山神社をはじめさまざまな文化施設があって、新潟市にとってみれば観光のスポットになっていると思います。一方で、施設どうしの連携がなかなかうまくいっていないようなところも見受けられると聞いております。これは文化行政課の話ではないのかもしれませんけれども、観光を所管する部局なり、新潟市なりと連携を取って、この県政記念館をもっともっと多くの人に見ていただいて、観光の中心にしていただくという役目も必要なのではないかと思いますので、その辺の今後の意気込みを教えていただきたいと思います。

◎文化行政課長 教育委員会と観光との関係でございますが、委員ご存じのように、教育委員会は、その中で教育、文化、スポーツについて限定的に所管されておりますので、地域振興や観光などということは守備範囲ではございません。私どもがまず第一義に考えるのは、文化財を保存して、それを次の世代に、子供たちに残していくこと。当然、立派な文化財でございまして、新潟県の歴史を示しているものですから、多くの方々からごらんいただくというところまでは私どもの守備範囲なのですが、これを活用した地域振興や観光ということになりますと、私どもよりは、もっと多くおいでいただくために、例えば「燕喜館」とか「砂丘館」とか白山神社とか、それから旧斎藤家の夏の別邸などということを考えていただける指定管理者、あるいは新潟市の観光担当課の方になると。つまり、文化財を取り込む形で観光を考えていただければと考えているところでございます。

◆小林一大委員 一つ、後学のために教えていただきたいのですけれども、先日、神奈川県平塚市の旧県立神田高校というところで、入試の際に、選考基準にない茶髪やスカートの長さなどの外見で不合格にしたとして、校長先生が辞めさせられたというような事案があったようです。この件について直接関係するわけではないのでしょうけれども、県教育委員会の所感と、また、わが県においてこういったことがあるのかということを教えていただきたいと思います。

▼高等学校教育課長 県立高校の入学者選抜につきましては、入学者選抜要項に基づいて行っております。もちろん中学校を卒業した子供たちにとりましては、その後の自分の人生にかかわってくるところでありますので、これが公正に行われるというのは言うまでもないことであります。したがいまして、あらかじめ選考基準にうたっていないものに基づいて合否を判定するというようなことは、本県においては行われておりません。

◆小林一大委員 あらかじめ選考基準に載っていないことによる判断で不合格にしたということで、保護者に対する慰謝料などの和解案を神奈川県教育委員会は6月定例会に提出したようでございます。ただ一方で、この事案に関しては学校側を擁護する意見などもあって、高校入試に茶髪やスカートが長い状態で来たりするのはいかがなものか、それで保護者に対して和解して慰謝料を払うなどというのはいかがなものかというような意見が殺到したり、この校長は3月末に更迭されたようですけれども、大変人気のある校長先生だったようで、学校に戻してほしいというようなPTAの嘆願書もあったように聞いています。わが県においてはないということですけれども、少なくともこういったことがあったということについては、しっかり考えて、これからも入試については進めていっていただきたいと思っております。
 最後に、トキめき新潟国体について1点だけお聞かせください。開会まであと一月でございますから、選手の強化は進んでいらっしゃるのだと思います。男女総合優勝、1位獲得を目指していることも事実であると思います。ぜひ、やっていただけると思っておりますが、よくオリンピックの前になると、注目競技もしくは日本が強い種目などを国民に知らせて、より盛り上げていくということもあろうかと思います。トキめき新潟国体において、わが県の活躍が非常に期待されているスポーツ競技はどのようなものか。もちろんすべての競技において、点数を取っていただくことは大事ですし、盛り上げなければだめだと思いますが、観戦する方としても、どの競技がポイントなのか、新潟県はここで点数を取っておくのだというようなことが分かれば、もっともっと盛り上がると思うのですけれども、もし具体的に言えるのであれば教えていただきたいと思います。

○保健体育課長 御指摘の件でありますけれども、できればすべての種目について本県が一番であるという視点で競技をごらんいただければありがたいと思っております。なお、日程からしますと、団体種別が得点が大きいものですから、個人種目が行われる競技日程の前半は、比較的点数の伸びが少ないのではないか。後半になりまして、団体競技で点数を取り始めますと最終日に総合優勝というふうになろうかと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

◆小林一大委員 私がお聞きしたかったのはそれだけでございまして、ぜひ、頑張っていただきたいと思います。我々もすべての競技を応援しますし、団体競技にも応援に行けばいいと。最後に、夏を越えて強くなる選手もいるでしょうから、先ほど内山委員からもお話がありましたけれども、少年選手の強化、そして団体競技の強化、最後の最後まで抜かりのないようにお願いして、質問を終わります。

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